近年、スマートフォンの配車アプリを使って働く「アプリドライバー」という仕事が注目されています。タクシー業界の新しい働き方として、副業として短時間で働く人から、正社員として安定収入を目指す人まで幅広く活躍しています。本記事では、アプリドライバーの基本的な仕事内容や始め方に加え、収入の仕組み、さらに代表的な配車アプリであるGOとUberの違いについて見ていきましょう。
アプリドライバーとは?仕事内容や始め方
ここでは、近年注目を集めているアプリドライバーとはどのような仕事なのか、仕事内容や働き方、必要な資格についてご紹介します。
アプリドライバーの基本的な役割
アプリドライバーとは、タクシー配車アプリを利用して乗車依頼を受け、お客さまを目的地まで安全にお連れするドライバーのことです。代表的なタクシーアプリとして「GO」があり、スマートフォンを通じてお客さまとつながり、効率的に送迎を行う仕組みになっています。
従来、タクシーを利用する際は道路で手を挙げて拾うか、タクシー会社へ電話をして呼ぶ方法が一般的でした。しかし、配車アプリの登場により、乗る側も呼ぶ側もスマホひとつでやり取りができるようになっているのです。
アプリを通じた配車は、希望の乗車場所を地図で指定でき、料金の目安も事前に確認できるため、多くの人が利用しています。アプリドライバーは、アプリに届く配車リクエストに応じて送迎を行い、アプリを介して料金の決済を行うケースも多くなっています。
配車アプリが広げた新しいタクシーの形
アプリドライバーは、配車アプリを通じてお客さまを迎えに行くため、従来のタクシー営業と比べて効率的に仕事ができるようになっています。これまでは街中を走りながらお客さまを探したり、無線配車の依頼を待ったりするスタイルが主流でした。
しかし、アプリを使うことで、近くにいるドライバーへ自動的に仕事が割り振られ、走行距離や待機時間を抑えながら送迎ができる点が特徴です。
なお、配車アプリはお客さまにとっても便利なサービスです。スマートフォンで近くの車を呼ぶことができるため、わざわざ外でタクシーを探す必要がありません。さらに、アプリ内で行き先を入力しておくことで、乗車時の伝達ミスも防ぐことができるため安心です。
このように、効率よく乗客と出会える点や、送迎記録がデータとして残る点などが評価され、アプリドライバーという働き方が広がっています。
アプリドライバーに必要な免許と求められる人物像
アプリドライバーとして働くには、一般的な自動車運転免許だけでは不十分です。タクシーとしてお客さまを運ぶ仕事にあたるため、「第二種運転免許(二種免許)」の取得が必要です。
これは旅客を安全に運転するための専門免許であり、取得には普通自動車免許を取得してから1年以上が経過していることが条件となっています。
加えて、運転技術があるだけではなく、お客さまの命を預かるという責任を理解していることも重要です。そのため、無理な運転をしない冷静さや、周囲に気を配る慎重さが必要とされます。
また、アプリドライバーには運転だけでなく接客対応も求められます。アプリを通じて初めて乗車するお客さまを迎えるため、第一印象を良くする丁寧なあいさつや言葉づかいが欠かせません。お客さまに安心感を持ってもらうためには、誠実な対応や清潔感のある身だしなみも大切です。
安全運転と正確な対応、そしてお客さまに寄り添う姿勢を持つ人が、アプリドライバーに向いているといえるでしょう。
アプリドライバーは稼げる?収入の仕組みと働き方
ここでは、アプリドライバーは実際にどのくらい稼げるのかについて紹介します。タクシー業界の収入事情や、働き方によってどのように収入が変わるのかをわかりやすくまとめました。
タクシードライバーの平均収入から考えるアプリドライバーの収入
アプリドライバーとして働く前に、まずタクシードライバーの平均収入を知ることが参考になります。タクシードライバーの平均年収は約280万円、月収に換算すると約22万円ほどといわれています。
一見すると高収入のイメージはないかもしれませんが、これはあくまで全国的な平均であり、働く地域や勤務時間、走行するエリアによって大きく金額が変わるものです。
たとえば、人口が多くタクシー需要が高い都市部では、乗車回数や単価が地方よりも高い傾向があるため、平均以上の収入になるケースがあります。一方で地方では需要が少ないため、収入がやや安定しづらいこともあるでしょう。
また、勤務時間によっても収入は変わります。長時間働くドライバーほど仕事の機会が増えるため、一般的には収入が高くなる傾向にあります。このように、収入の差はドライバーの工夫や働く時間帯の選び方によって大きく変わるため、自分に合った働き方を選べることが重要です。
短時間でも効率よく稼げる?副業としてのアプリドライバー
アプリドライバーは週数回だけ働く副業スタイルでも始めることができます。1回あたりの勤務時間が4〜5時間程度でも可能で、空いた時間を活用して働きたい人や、本業に影響を出したくない人から選ばれやすい働き方です。
短時間で効率よく稼ぐには、稼働する時間帯を工夫することがポイントです。特に仕事や学校の通勤・通学が集中する平日の朝、外出する人が増える土日の日中、飲食店の利用が増える金曜の夜は需要が高く、多くの乗車機会を見込めるでしょう。
また、アプリドライバーはアプリが自動で近くの乗客とマッチングしてくれるため、慣れていない人でも仕事を見つけやすく、未経験者でも始めやすい働き方です。
正社員ドライバーとして安定した収入を目指す働き方もある
アプリドライバーには副業として働く方法だけでなく、正社員として働く選択肢もあります。この場合はタクシー会社に所属し、タクシーアプリを利用して乗客の依頼を受けながら稼働します。
正社員ドライバーの場合は、固定給に歩合給が加わる給与体系が一般的です。完全歩合制ではないため、一定の収入が保証されている企業もあり、安定を重視する人に適しています。
さらに、タクシー業界が未経験でも応募できる会社が多いことも特徴です。「第二種運転免許(二種免許)」は、普通免許取得から1年以上経過していることが受験条件ですが、タクシー会社の中には二種免許の取得費用を会社負担でサポートしてくれる場合もあります。
入社後に教習所に通いながら資格取得を目指せるため、未経験からでも正社員として働き始めることができるでしょう。
また、正社員のアプリドライバーは、歩合によって月収30万円以上を達成する人も多く、稼働時間や営業エリアを工夫して高収入を目指す人もいます。特にアプリを活用した配車は効率がよいため、営業経験がない人でも結果を出しやすい仕組みになっています。
GOとUberどっちが稼げる?特徴を比較して稼ぎ方の違いを知る
タクシードライバーとして効率よく稼ぐためには、配車アプリの活用は欠かせません。中でもよく使われているのが「GO」と「Uber」です。
ただ、どちらが稼ぎやすいかは一概に決めることはできません。理由は、2つのアプリが持つ特徴と稼ぎ方のスタイルが大きく異なるためです。
GOは日本最大級の利用者数を持ち、都内を中心に配車依頼が多い傾向があります。短距離の乗車が多いものの、そのぶん配車回数が多く「数をこなして稼ぐ」スタイルに向いています。アプリ操作もシンプルで、導入しているタクシー会社が多いため、初心者でも使いやすい点が魅力です。
一方、Uberは外国人観光客や富裕層の利用が多く、1回あたりの運賃が高くなりやすい傾向があります。ただし、乗車確定までの手順がやや複雑で、キャンセルが発生しやすいという注意点があります。また、英語対応が必要になる場面もあるため、人によってはハードルを感じるかもしれません。
結論として、配車数を重視して安定的に稼ぎたい人はGO、1回の単価を狙いたい人はUberが向いています。働くエリアや営業スタイルに合わせて使い分けることが、収入アップのポイントです。
まとめ
アプリドライバーは、配車アプリを活用してお客さまの送迎を行う新しい働き方として注目されています。未経験からでも始めやすく、自分の生活スタイルに合わせて働ける点が魅力です。また、収入は働き方によって変わるため、副業として効率よく稼ぎたい人にも、安定的に収入を得たい人にも対応できる柔軟さがあります。さらに、配車アプリには「GO」や「Uber」などの種類があり、それぞれに特徴と稼ぎ方の違いがあります。自分の得意分野や営業するエリアに合わせて活用方法を選ぶことで、収入アップを目指すことができるでしょう。