最近、福利厚生が手厚いタクシー会社が増え、タクシードライバーへの転職を考えている方も多いでしょう。しかし、タクシードライバーの仕事についてきちんと理解をしておかないと、転職してから後悔することになります。そこで本記事では、タクシードライバーに転職して後悔しないために知っておきたいことをご紹介します。
資格と法規制
タクシードライバーになるには、第二種運転免許の取得と、地理試験の合格が必要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
※以前はタクシー乗務員の取得要項として、東京都・大阪府・神奈川県で「2種免許取得、および地理試験への合格が必要である」となっていましたが、2024年2月29日付けで地理試験の廃止が決まりました。
(参考元:https://www.tokyo-tc.or.jp/driver/geography.html)
第二種運転免許の取得
第二種運転免許は、公共交通機関の乗り物を運転できることを証明する免許です。第二種運転免許を取得することで、白ナンバーの自家用車のほか、緑ナンバーの営業車両を運転できます。そんな第二種運転免許の受験資格は、次の2点です。
・19歳以上
・普通免許の運転経験年数2年以上
また、第二種運転免許の取得期間は、10日~2週間程度です。自動車教習所へ通学後、運転免許センターで学科試験に合格すれば取得できます。
地理試験
地理試験は、顧客を安全に目的地まで送り届けるため、営業区域内の地理への理解を深めるための試験です。必ずしもすべてのタクシードライバーが受けなければいけないわけではなく、都市部の特定の地域でタクシードライバーになる方のみ受けるものです。道路の名前や地名、有名な建造物の名前、各名所、旧跡、駅の場所などが問われます。
車両の管理やメンテナンス方法
タクシードライバーは、ただ顧客を乗せるだけでなく、車両の管理やメンテナンスも大切な業務です。詳しく見ていきましょう。
整備
タクシードライバーの整備として大切なのが、始業前の車両点検です。点検内容として、以下のような項目が挙げられます。
①ブレーキの液量、空気圧、ペダルの踏みしろ、レバーの引きしろ
②タイヤの空気圧、亀裂や損傷の有無、ホイールの異常の有無
③エンジンオイル量、エンジンのイオンの有無
点検を怠ると重大な事故にもつながるため、毎日の点検はタクシードライバーの大切な業務です。
洗車
タクシードライバーのメンテナンスで大切なのが、洗車です。もし自分が顧客としてタクシーに乗るとき、車両が綺麗で社内も清潔なタクシーに乗りたいと思うことでしょう。そのため、基本的に1日の終わりは毎回洗車をします。車両の外側だけでなく、車内も清潔にしておくことで、売上にもつながってくるでしょう。
給油
タクシーも、自家用車と同じように給油が必要です。業務中にガス欠なんてことにならないよう、業務開始前にガソリンの残量を確認し、給油する必要があります。
顧客に対する礼儀作法
タクシードライバーとして働く上で、売上に大きく影響するのが礼儀作法です。ここで、タクシードライバーとして得ておくべき礼儀作法を見ていきましょう。
身だしなみ
まずは、身だしなみに気をつけましょう。シャツやグローブは汚れていないか、シャツはシワがない状態か、ボタンはしっかりと停まっているか、男性の場合ヒゲは剃っているか、髪色は派手すぎないかなど、気をつけるべきポイントはさまざまです。顧客が気持ちよくタクシーに乗れるよう、きちんと身だしなみを整えておきましょう。
笑顔であいさつ
顧客を乗せたら、まずは笑顔であいさつをしましょう。あいさつ時だけでなく、顧客との会話をしているときでも笑顔を意識してみてください。運転中は前を向いているため、顧客に顔は見られていないと思いがちですが、横顔が見えていたり、ミラー越しに表情が見えていたりします。そのため、顧客が乗車中は気持ちのいいあいさつと笑顔を大切にしましょう。
細かい気配り
顧客を乗せているときは、細かい気配りが大切です。たとえば、暑い日に顧客がうちわを仰いでいたらエアコンの設定温度を下げたり、電話をし始めたらラジオや音楽のボリュームを下げたりするなどが挙げられます。安全運転に集中したうえで、できる範囲の気配りをしましょう。
大きな荷物はトランクに載せる
顧客が大きな荷物を持っている場合は、自ら車から降り、トランクに載せてあげましょう。大きな荷物をトランクに載せることで、顧客が広々とタクシーに乗れるほか、座席の汚れ防止にもなります。
安全運転が第一
タクシードライバーとしての礼儀作法として最も大切なのは、安全運転です。タクシーにはさまざまな顧客が乗車し、なかには「急いでほしい」という顧客もいるでしょう。しかし、だからといってスピードを出して運転するのは危険です。
また、その土地に慣れてくると運転が乱暴になったり、危険になったりすることがあります。しかし、乱暴や危険な運転は顧客に不快感を与えてしまうため「もう乗りたくない」と思わせてしまう可能性が高いです。顧客と自分の安全、そして今後の売上のためにも、安全運転を第一に考えましょう。
まとめ
タクシードライバーに転職して後悔しないために知っておきたいことを解説しました。タクシードライバーは、ただ運転が好きだからといってなれる職業ではありません。第二種免許の取得と地理試験に合格したうえで、初めてタクシードライバーとして乗車できます。
さらに、売上をあげて収入アップを目指すためには、車両の適切な管理とメンテナンス、顧客への礼儀作法も大切です。日々努力することで顧客満足度が上がり、売上にもつながっていきます。これからタクシードライバーへの転職を考えている方は、後悔しないように、ここでご紹介したことをしっかりと理解しておいてください。