タクシードライバーの給料形態には、歩合給が広く採用されています。自分の努力次第で収入を大きく左右する特徴を持っている一方で、会社が採用する給与の仕組みによって、歩合給の比重は大きく異なります。この記事では、歩合給について、また、注意すべきポイントについて詳しく解説しているので参考にしてください。
歩合給とは?
歩合給という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。歩合給は、セールスマンやタクシードライバーに特徴的な給与形態です。売上の一定の比率が給料になる仕組みであり、自分でがんばっただけ収入として見返りが生まれます。なかには、月に50万円を稼ぎ出す人もいるほどで、高収入を期待できる点が、タクシードライバーという職業の大きな魅力となっています。
しかし、すべてのタクシー会社が完全歩合制ではありません。タクシー会社の給料システムは、A型賃金、B型賃金、AB型賃金といった、いくつかのパターンに分かれています。
まず、A型賃金は、基本給に歩合給をプラスします。これは、一定の基本給に加えて、売上に応じた歩合給が加算されるシステムです。
B型賃金は完全歩合制です。基本給が存在せず、すべての収入が売上に応じて決まります。このシステムでは、自分のがんばり次第で収入を上げられるため、稼ぎ方を知っているドライバーにとっては魅力的な選択肢と言えるでしょう。
さらに、AB型賃金と呼ばれる給料形態も存在します。これは、タクシー業界ではメジャーな給与形態で、A型賃金とB型賃金の中間に位置し、基本給と歩合給が組み合わさった形態です。A型賃金と異なるのは、賞与支払いのために、一定額を給与から差し引き積み立てるのが特徴的と言えるでしょう。
以上のように、歩合給と呼ばれる給料形態は、個々のドライバーの業務効率化や努力次第で収入に反映されるシステムであるため、やりがいを感じながら働ける仕組みです。しかし、基本給と歩合給を組み合わせるタクシー会社が多いため、入社を希望する会社の給与システムを知っておくことが重要です。
歩合給の計算方法
歩合制の計算方法は、売上に還元率を掛け合わせたものです。具体的な例を挙げてみましょう。ある日の売上が5万円だったとします。そして、タクシー会社の還元率が60%である場合、3万円がタクシードライバーの収入になります。このシステムは、新人でもベテランでも平等に適用されるのが一般的です。つまり、自分の努力次第で高収入を得られます。
個々のドライバーが自分のがんばりを正当に評価される仕組みですが、還元率は給与を決定づける非常に重要な要素です。高収入を目指す方は還元率に注目してみてください。
歩合給の利点と課題
歩合給は、努力して高収入を得たい人にはおすすめの給与システムですが、それにはいくつかの利点と課題が存在します。
まず、A型賃金を採用している会社は、あまり稼げない傾向があることを頭に入れておきましょう。A型賃金は、一般企業の営業職によく見られる給料システムで、タクシー業界ではあまり一般的ではありません。この形態では、固定給が保障されるため、生活の計画が立てやすい利点がありますが、一定の売上を超えた際の歩合の還元率が低いため、売上が多くても高収入につながらないという課題があります。
では、すべてが歩合であるB型賃金は稼げるのでしょうか。固定給がなく、売上の歩合率で給料が決まるシステムであり、頑張った分だけ稼げるため、高収入を目指す多くのタクシードライバーのニーズがあります。経験が豊富で、常に高い売上を確保できるドライバーにとっては、最も稼ぎやすい選択肢です。ただし、未経験で業界に挑戦した直後など、稼ぎ方を把握できておらず、売上が十分でない場合は、収入が大幅に減少するリスクがあることを覚えておきましょう。
AB型賃金は、タクシー業界のなかで一般的な形態であり、固定給と歩合給の合算金額から賞与が支払われます。A型賃金の生活不安を払拭できる長所と、B型賃金の高収入が期待できるメリットを兼ね備えている形態です。
重要なポイントは、どの給与形態が適しているかは個々のドライバーの力量や好みによって異なるという点です。稼げないうちはA型賃金やAB型賃金で習熟し、稼げるようになってきたら完全歩合制のB型賃金の会社に転職するなど、戦略的にキャリアを考える必要があります。
タクシードライバーとして生きていくためには、それぞれの賃金体系の利点と課題をよく考え、自分に合った給与形態のタクシー会社を選ぶことが大切です。
まとめ
タクシードライバーの歩合給は、自分の業務効率化や努力に応じて収入を大きく上げられる給与システムです。給与形態として、歩合制の比重が違うA型賃金、B型賃金、AB型賃金などが存在し、それぞれにメリットと課題があります。A型賃金は固定給と歩合給の組み合わせで安定感がありますが、還元率が低く高収入が難しい傾向があります。
一方、B型賃金はすべての賃金が売り上げによって決定される歩合制であり、がんばった分だけ稼げますが、リスクも大きい形態です。AB型賃金は安定感と歩合給の組み合わせで、幅広い会社が採用しています。自分の力量や働き方のビジョンを考え、自分に合った給与体系を選ぶことが成功への第一歩と言えるでしょう。