新型コロナウイルスの影響やドライバーの高齢化などが原因で、全国で働くタクシードライバーの数が減少しています。見方を変えれば、あらたにタクシードライバーになりたい人にとって大きなチャンスともいえます。今回はサラリーマンとタクシードライバーの比較やタクシードライバーのメリットや注意点について解説します。
サラリーマンとタクシードライバーの比較
タクシーの運転手になると一般的なサラリーマンと何が違うのでしょうか。サラリーマンの場合、事務所などの職場に出勤して退勤するまで業務を行います。基本的に出勤時間や労働時間が決められています。昼食時に外出することはできますが、基本的にオフィスで時間を過ごすことが大半となるでしょう。
一方、タクシー会社でドライバーとして勤務するときは、昼日勤、夜日勤、隔日勤務の3つの勤務形態で仕事をすることになります。昼日勤は基本的に昼間に勤務します。朝の7時から夕方4時まで、あるいは朝8時から夕方5時までといった勤務パターンがおおいです。月の乗務日数は22〜24日であまり会社勤めと変わりません。
夜日勤は夜間だけ勤務することです。深夜割増の料金が発生するため、昼日勤よりも収入が多くなるケースがあります。午後6時から翌朝2時、あるいは午後7時から翌朝3時といった勤務時間になります。乗務日数は昼日勤と同じく22〜24日です。昼日勤に比べると繁華街で利用する乗客や飲酒後の帰宅で利用する乗客などが増えます。
タクシーならではの勤務形態といえば隔日勤務です。昼夜連続2日分一気に勤務し、出勤日の仕事終わりはそのまま休みとなります。合計勤務時間は20時間ほどで、3時間くらいの休憩時間を挟みます。3つの勤務のなかで主流となっているのが隔日勤務です。サラリーマンと全く異なる働き方ですので、一番の違いといってよいでしょう。
後ほど詳しく説明しますが、給与形態も異なります。サラリーマンは基本的に固定給ですが、タクシードライバーは固定給と歩合制の組み合わせ、あるいは完全歩合制の給与形態です。
タクシードライバーのメリット
タクシードライバーになるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
1つ目のメリットは、自分の実力で高収入を得られる可能性があることです。先ほど取り上げたように、ドライバーの給与は固定給と歩合制の組み合わせ、あるいは完全歩合制です。歩合制であれば本人の努力次第で大きく稼ぐことも可能です。実際、1,000万円台の収入を得ているドライバーも存在していますので、本人次第で収入を伸ばせることがわかります。
2つ目のメリットは、自由度が高いことです。会社勤務の場合、上司や同僚、部下と連携して仕事を行います。困った時に助け合えるというメリットがある半面、社内での人間関係にかなりの労力を割かなければなりません。良くも悪くも、タクシードライバーは自分で考えて働く仕事です。他人の指示を細かく受けて働くわけではありませんので、そういった面でのストレスをあまり感じずに勤務できるでしょう。
色々な場所に移動できるのが3つ目のメリットです。デスクワークであれば、仕事で移動する範囲は限られていますが、タクシーであれば乗客の指示でさまざまな場所に行けます。ときには自分にとって全く見知らぬ土地にいくこともあるでしょう。
また、乗客も千差万別です。色々な人と出会いますので、その意味でもあまり飽きずに仕事できるのではないでしょうか。車の運転が好きで、乗客とのコミュニケーションをとれる人はタクシードライバーに向いているといえます。
タクシードライバーになるにあたっての注意点
自由度が高い仕事ではありますが、注意すべき点もいくつかあります。
1つ目の注意点は収入が安定しないことです。サラリーマンであればよほどのことがない限り毎月決まった金額が給与として支給されます。しかし、タクシードライバーは歩合の要素が大きいため、月によって収入にばらつきが出ます。完全歩合制の場合は乗客を乗せられないと全く収入が得られなくなってしまいます。
2つ目の注意点は交通事故のリスクがあることです。隔日勤務であれば1日20時間程度の乗務をしなければなりません。その間、交通事故に巻き込まれる可能性があります。自分自身がしっかり運転していても、相手が無謀な運転をして巻き込まれるケースもあるでしょう。
3つ目の注意点は乗客とのトラブルです。乗客の大半はトラブルを起こしませんが、夜にお酒が入った乗客とのトラブルは少なくありません。また、ごくまれにですが犯罪に巻き込まれることもあります。基本的にタクシーは乗客を選ぶことができませんので、自分の努力だけでは回避できないこともあるでしょう。
まとめ
今回は脱サラしてタクシードライバーになる人向けの記事として、サラリーマンとの違いやタクシー乗務のメリット、注意点についてまとめました。自由度が高い職業ですが、同時に自己責任の要素も少なからずある仕事です。収入の高さや自由な働き方だけに目を奪われず、自分をコントロールしながら色々なことに臨機応変に対応する必要があることを踏まえて検討してみてはいかがでしょうか。